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一級建築士 匠の視点 ブログ

2024.04.28更新

木造でコストをかけずに大空間構造を考える。3.丸太梁とダブルでかけた上り梁。

雪国の屋根を支えるために考案された構造。雪国のリゾート感を意識した家を設計しました。顧客はリゾートスポーツに携わる職業の方です。壁にはトリプル層のLow-Eガラスが直接はめ込まれており、外部軒出しは2メートルでダイナミックな構成となっています。

2mの軒の出テラス

7.3mの丸太の梁、斜めの材は法杖と呼ばれる補助材。2F床は支えておりません。

 

ダイナミックな丸太(太鼓梁)。左の上のFIX窓の上部が明るいのは、昼は自然光、夜は間接光を天井に反射させた自然な感じの照明。

図に示されたように、丸太(水色)の上部には見えない裏の構造があり、ダブル梁の構造を採用しています。裏構造が存在する理由は、屋根と天井に35センチの断熱材を入れるための空間が必要だからです。

裏構造では、150センチおきに上り梁(青色)を設置します。その下には最も細い部分が直径30センチ7.3メートルの丸太梁(水色)を設け、ダブル構造で屋根を組み立てています。丸太は室内に露出させており、力強い空間を演出しています。

丸太の両端に設置された斜めの材は方杖と呼ばれ、構造計算には含まれていないデザイン要素ですが、万が一の大雪時に撓みに対応する補助的な役割を果たしています。

正式には丸太でなく、両側をそぎ落とした太鼓梁といいます。丸太より太鼓のほうがスッキリ見えます。

これは別物件ですが、大スパンの高天井の寝室の中央にも法杖を使っております。写真のベッドもつくっております。ベッドは足指をぶつけないように、20センチは脚を控えております。左の扉は通気ルーバー戸のクロゼット。

 

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