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一級建築士 匠の視点 ブログ

2023.06.07更新

通風の基本を窓の平面的な位置はどこがいい?

今年は早い梅雨入りですが、雨でなければ、6月くらいが夜でも窓開けで、ちょうどよい時期になります。

 

通風という言葉がよく聞くと思います。

通風は以下のように考えております。個人的な感覚なので、学術的なところと違いもあるでしょうが、気にしないで読んでいただければ

 

姫路市の私の住んでいるマンションでは、南北に障害物がなく、また南北にバルコニーがあり、風は微風でも感じる場所です

 

住宅設計をしていると、通風を取りたいという依頼を受けます。

兵庫県南西部は、季節によって風の方向がある程度きまっているのですが

瀬戸内海が近いこともあり、一日の中でも決まった法則で風向きが変化します。海と陸の蓄熱の違いから生じる海陸風という表現もあります。

 

知っている、肌感覚で当然わかっているちいう人も多いですが

では、窓をどの位置にとればよいか、例えば夜窓をあけて寝るというかたは寝室をどことにればよいかなど、考えることも可能です。

 

マンションでは、日中南風があり、朝は弱く、午後から夕方は強くなり、夜21時にピタッとかぜが止まり、22時まで風のない時間帯になります。その時間帯は不快です。深夜になると北からの微風にかわります。

 

夜22時を境に、南風が北風にかわります。実際は南南西から北北西にかわる。

毎日これを繰り返しています。

ですのでとにかく通風をと好む方は、かならず南北方向に窓をとり、そのルートも確保するとよいでしょう。また開き窓では窓の開閉向きまで私達は考えております。

 

以前作った資料でこのようなものがあります。もう何年もはこの資料は説明していなかったのですが、でも通風の基本形なので大事です。

姫路市の月別の 起居時6-22時 と 就寝時23-6時の風向きです。極端に地形に左右されていない場所では恒常的にこのような向きに風が吹いています。

起居時 7-22時

 

就寝時23-6時

 

とはいえ、乾いた気持ちいい風を感じたい時期は1年の中で2ヶ月ほどくらいでしょうか。感覚では夜の外気温度が19-25度までのかなと。その他の時期はほぼ空調など冷暖房のほうが気持ちいい。でもその2ヶ月がすごく印象に残るので、窓をしっかり考えることも大事です。

 

一方では、自然風はあまり好きでない方も多い。花粉、チリ、ほこり、PM2.5などしっかり家の中にはいってきます。毎日花粉やチリを家に入れては掃除するという繰り返しが嫌だ、そのような方は24時間全館換気空調が一番おすすめです。梅雨時の換気においても空調されて室内に吹き出すので空気が気持ち良い。冬も寒い空気が直接入らずに空調を通して温められた空気として吹き出すので、年中快適なのです。

 

私の住んでいるマンションでは、気密は高いが断熱は弱いのが欠点で、風は気持ち良いと感じても、日中外壁面の蓄熱が室内へ移動してきます。コンクリートは移動に時間がかかるため、ちょうど深夜時間帯に温度がMAXにあがり不快になってしまい、結局空調に頼るということも多い。このように一概に風をいれればいいというものではありません。また、姫路市の資料であり、南西部でも他の地区では夜の風が少しだけ方向が変わったりしています。建物の特徴や断熱性能などからも影響を受けるので、詳しくはご相談ください。

あなたなら、通風、全館空調どっち派でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

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