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一級建築士 匠の視点 ブログ

2023.11.12更新

姫路市、芸術外構プロジェクト3~中庭リノベ

姫路市、芸術外構プロジェクト3
今回はスロープを上がってから見えてくる中庭部分のリノベです。

 

BEFORE

既存の中庭の状況は、幅1.7m奥行き7.3mの細長い、奥は特に3方壁で閉塞感あり。
玄関ポーチから見て奥が暗い。奥に3本の既存の中木、アオハダ、ソヨゴ、モミジが偏っている。
岩が3つと低木が3本、リュウノヒゲがある。
水道栓が丸見えである。
青いマンホ-ル蓋が丸見え。
勝手口の段コンクリートが見えていて雰囲気がない。
ポーチから一番手前は単なる砕石敷。

 

 

 

 

リノベ計画の趣旨

 

砕石からコンクリート段という味気なさを払拭するために、人工物は一切なしにする。 いわゆるエクステリア的でなく造園という響きのリノベ。
建物の外観玄関まわりの雰囲気から和を強調したもので、やや伝統的な味付けをする。

 

奥に偏った樹木が3本といった、平凡な景色を変える

既存樹木の配置をかえる。
葉のきれいなモミジを手前に移動し。手前紅葉の枝葉と奥の樹木の遠近感を強調する。モミジは、道路からも見えるにライトアップを。
木々の根本には苔とハランを植えて、あくまでもスッキリ感を出す。

奥のアオハダとソヨゴは配置は既存のままにしてコストを抑える
奥の昼間の暗さをなくすため、白系の石で明るくする。

木々の根本に苔島をつくり、その周囲を白玉石とゴロタ石を配置することで明るさを得ることに成功した。
また奥ほど地面を30センチ程度高くし、自然の丘地形のように。

 

造園で失敗するのは、数年後の成長した樹木グリーンの植すぎによるものが多い。
今回光を制御できる中庭であるが、メンテナンスを考えると極力グリーンを少なく、苔と石の面積比を意識しながらの計画を立てた。


和風伝統を意識し、石の渋さ、石皮面の表情、アクセントに丸形敷石、洋物のトラバーチン踏石なども遊びで取り入れた。
特に玄関からの踏み石は、2m長さの石材から、ハンマーで手割りして形をつくった。
コンクリート段のむき出しを隠すために、段手前に高さ70センチの石皮をたてて、うまくコンクリートを隠した。
水道栓は、低木のヒイラギを移植し隠した。防水受け皿の上には自然石を置いて隠す。

 

以上、このような丁寧な計画により、あたかも違和感のまったくない庭のリノベーションを目指す。

 

 

 

図面ではわかりにくいので、既存写真の上にスケッチを提示したりしながら進めていきます。

 

次回は、施工中と完成までを紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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