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2024.01.22更新

欧米セレブから大流行『パントリーポルノ』とは?

欧米セレブから大流行『パントリーポルノ』とは?


とにかく美しいパントリー(食品庫)を演出してSNSで公開し、多くの人に感心される…
欧米ではこれが今のステータスだそうです。
ラベルが貼られたスパイス瓶が整然と並び、パスタやクラッカー、スナック菓子もお店のようにカゴに入れられ、フレーバー炭酸水も完備!

収納術の基本理念はモノの定位置を決めることですが、欧米ではこのような基本理念を超えてパントリーを充実させるためのツールやノウハウが一大産業となりつつあります。

そして昨今、華やかでスタイリッシュなパントリー収納「パントリーポルノ(pantryporn)」という新ジャンルが誕生しました。

今回は、なぜ欧米のSNSを中心にパントリーポルノが流行しているのか、特集します。
※「ポルノ」-性的な意味だけではなく、”露骨”や”猥雑”という意味でも使われます。

パントリーの歴史

Pantry(パントリー)は、もともとはラテン語でパンを意味する「パニス」に由来し、食品を保存するための隠れたスペースという意味からきています。
従来的にパントリーは機能的なものであり、他人に見せるようなスペースではありませんでした。

1800年代後半になると、上流社会で「バトラーズ・パントリー(配膳室)」が建築のトレンドになる、キッチンとダイニングルームのあいだにある小さなスペースが、料理と料理をする人を隠す場所として、ステータスの象徴となりました。

そして時が経ち、中流家庭の家にもパントリーが作られるとうに。
1950年代にはアメリカでオープンな間取りが流行し、キッチンが視界し入るようになりました。

現代的なアメリカの家にあるパントリーの多くは、キャビネットやウォークイン収納になっています。
現在、アメリカで建てられた敷地100坪以上の新築住宅の85%以上に、ウォークインのパントリーが備わっています。
2019年の調査では、ウォークインパントリーはアメリカの新規住宅購入者にとって、「最重視するキッチン機能」ということが明らかになりました。
この美しいパントリーがステータスとなったきっかけは、セレブリティによるSNSでの公開による影響です。
カーダシアン家はパントリーゴール(pantrygoals)の始祖的存在と言われており、有名なTVショー『リアル・ハウスワイフ』のヨランダ・ハディッドは冷蔵庫専用のアカウントをソーシャルメディアで公開しています。
コロナのパンデミック中、手元に多くの食材をキープして並べることがお金とスペースに余裕のある人達にとってのステータスでした。

しかし今や、このパントリーはどんな人でも再現が可能です。
デザイナーズキッチンは無理でも、大容量に保存している食品を美しく整理することは誰にでもできるんです。

フードポルノからパントリーポルノへの変還



2010年代は、フードポルノ(美味しそうなご飯やスイーツを、写真や動画でこれでもかとアピールすること)がソーシャルメディアを支配しました。
料理や食事シーン、演出方法など、さまざまなコンテンツがSNSユーザーから編み出されました。

この流行が高じて、スマートフォンでの撮影を禁止するレストランが現れるいっぽう、ニューヨークのアイスクリーム博物館やエッグハウスなど、「食×インスタ映え」を狙った施設もたくさん現れました。
カメラ付きのスマートフォンを手にした消費者は、おしゃれで美味しそうな映える食事をSNSに投稿し、見せびらかしていました。

この「見る」「見られる」というダイナミズムは、現在の消費文化の特徴であり、「トラベルポルノ」「ブックポルノ』、「不動産ポルノ」など、実際には性的ではないものが、表現として「ポルノ」として扱われるようになりました。

SNSNのコンテンツに「ポルノ」という表現が加わることで、「欲望」「満足感」「見惚れる」ことの総称としての意味合いに変わっていったのです。
そしてパントリーポルノは、ハウス&ライフスタイルコンテンツ、ASMR的なリラックス効果をマッシュアップしたものといえます。


パントリーポルノ会のインフルエンサーは、自ら買い物し、食材を準備し、容器に詰め替え、パントリーを整理する様子を撮影し、#pantryrestock、#pantryASMR、#pantrygoals といったハッシュタグを付けて投稿します。
乾物を市販の袋から揃った容器に移し替え、コーヒーポッドやフレーバーシロップを自宅のコーヒーバーに置いて、積み重ねて収納にスナック類を美しく並べ変えたり、いろんな種類のアイスキューブを作って、冷凍庫に専用コーナーを設置したりしています。

こういったパントリーぽるのの多くは、ASMRのリズミカルな音を背景音楽にすることで、視聴者の快感中枢に訴えかけているのです。
フードポルノと同様、パントリーポルノも日常生活を誇張して表現することで注目されるようになりました。

フードポルノが大食いの欲望を引き出すのに対して、パントリーポルノは、「豊かなものを整然と並べる」という、異なる文化的欲望を引き出すものだと考えられます。

大量消費とミニマリズムの融合

過去10年間は、ホームオーガナイズ革命の過渡期でした。
ブログ、書籍、テレビ番組など、家事産業全体で「断捨離」「ミニマリズム」「シンプルライフ」が大流行しました。
かつてのミニマリズムというのは、「より少なく使い、より少なく買い、より少なく持つ」という、大量消費に反したライフスタイルを象徴するものです。

しかしパントリーポルノが示唆する新しいミニマリズムとは、整然としながら「より多くを持つ」ライフスタイルでした。消費者が求めているのは「より少ない」ではなく、「より多く」の容器、ラベル、収納スペースなのです。

スパイスをガラス瓶に入れ直し、トッピングの容器を何十個
もカラーコーディネートするのは、些末な行為に思えるかもしれません。
しかし今や、整理整頓ができるというのは一種のステータスであり、片付けがでいないというだけで、責任感や尊厳の欠如を疑われてしまう可能性もあるのです。
そう考えるとちょっと恐ろしいですね。

完璧なキッチンとプレッシャー

まるでセレクトショップのように食材が並んでいる豊かなパントリーでなければならない。
それがステータスであり、理想の母親、理想の妻の登竜門である。
という価値観が今、SNSで主流となっています。

これは欧米的なブームであり、そもそも日本では家に巨大なパントリーがあるほうが珍しいかもしれません。
しかし、美しくミニマムに整理されたキッチン収納は日本においても注目され、その筋のインフルエンサーも数多く存在しています。

完璧で美しいキッチンの構築能力を身に付けるべきであるという現在の社会的なプレッシャーが、一部の人たちを過重労働させているのかもしれませんね。

パントリーを設置しよう!


パントリーポルノと言われるほどでなくても、できれば合理的で美しいパントリーを実現したいですよね。
でも、パントリーを設置したいけれど、どこに設置すればよいのか、どの程度の広さにすればよいのかも悩む方も多いのではないでしょうか。そこで設置するメリットや注意点、事例をご紹介します。

パントリーとは?

パントリーとは、キッチン内や周辺にある収納スペースのことです。調理器具や家電を置くために、棚や小部屋を設置して利用します。
また、パントリーには、「壁付けタイプ」「ウォークインタイプ」「ウォークスルータイプ」の3種類があります。
それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。

壁付けタイプ

壁面に取り付けて使用するパントリーです。キッチンにいながら、収納物をすぐに取り出せるメリットがあります。
他のタイプに比べと、収納スペースが狭くなることがデメリットと言えます。壁付けタイプのパントリーは、キッチンの横または背面が利用しやすく一般的です。

ウォークインタイプ

小部屋になっているパントリーです。壁面に取り付けるパントリーに比べると、収納スペースを広くできるメリットがあります。普段は使用しない調理器具道具などを収納する場所としても適します。
一方で、キッチンにいながら棚に手が届かないため、収納物を取るたびに移動が必要になるデメリットもあります。

ウォークスルータイプ

出入口を2つにして、通り抜けができるようにしたパントリーです。買ったものをパントリーに一時置きし、食品をキッチンの冷蔵庫に持っていくなどの動作がしやすくなります。
デメリットは、キッチンからの移動が必要なため、壁付けタイプよりは、利便性が低いこと。また、通り抜けを前提とした構造のため設置できる場所が限られてます。

パントリーを設置するメリットは?

メリット1:ものを置くスペースが確保できる

パントリーを設置すれば、食料品や調味料、調理に必要な調理器具などがたくさんあったとしても収納できるため、整理整頓が楽に行えます。キッチンの調理スペースが散らかることなくスッキリとさせることができ、効率よく調理や後片付けができます。

メリット2:食料品のストックができる

日常的に頻繁に使用する者や災害時用の食料品をパントリーに保管することができます。
賞味期限の長い保存食や缶詰、インスタント食品など、万が一に備えてストックしておくことが可能です。また、スーパーから家までの距離が離れている、仕事が忙しいなどの理由で、買い物に行く頻度が少ない場合は、まとめて購入したものを保管しておけるため便利です。

メリット3:キッチンに置くものを減らせる

ホットプレートやたこ焼き気などの頻繁に使用しないキッチン家電は、収納に場所を取るためパントリーがあると便利です。目に見えやすい場所に常設しておく家電を最小限にすることで、生活感を抑える効果もあります。

パントリー収納のコツ

収納するものを3つのブロックにわけましょう。
パントリーに収納するときは、「上段」「中段」「下段」にわけて考えましょう。
「上段」には軽いものを収納します。ティッシュペーパーやキッチンペーパーなどの消耗品を収納します。食品の場合もインスタント食品のような軽く消費期限が長いものを収納するとよいでしょう。
「中段」は取り出しやすい位置にあるため、頻繫に使用する者や食品を収納するとよいでしょう。期限のある食料品や調味料など毎日の調理に欠かせないものが適しています。
「下段」には重いものを収納します。ペットボトルや、野菜のストックなどが適しています。

パントリー設置の注意点

特に注意する必要があるのは、扉の設置の有無です。
出入口に扉をつけるとパントリー内を隠せる一方、開閉の手間がかかります。また、キッチンやパントリーの広さによっては扉で通路が塞がれたり、調理の邪魔になるケースも。
開き戸ではなく、引き戸にすることで、そういったデメリットを解消できる場合もあります。

パントリーを活用することで、調理器具や災害時の食料品などを置くスペースを確保できます。キッチンの物が減ることで、作業場を広くできる点も大きなメリットです。
何より、きちんと整理され、整然と並べた食品ストックを眺めるとニヤニヤしてしまいます。生活動線やキッチン廻りの使いやすさが向上し、毎日の家事も楽しくなります。パントリーポルノにはまらない程度にパントリーを

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