2024.07.22更新
1軒の家を掘りさげてみよう。⑤設計者の考え方
今回は、バラエティに富んだ空間を解説していきます。
この家の一番高所にある主人の部屋、とうか寝床(通称ドラえもんの寝床、笑)です。写真からわかると思いますが、ロフトです。右側の窓からあかりが漏れてますが、温熱を考えると、高所に直接窓をとると、日射などが過酷で不快になる可能性があると読んで、実はこの窓は2Fのホールに面した内窓にしてあり、灯りは、ホールに付いているトップライトです。内窓を開放して、トップライトを開けると本格冷房前の中間期の熱気を抜く仕掛けになっています。
ロフトに下の部屋はクロゼットですので、思い切り天井を低く2.1m程度にて、普通の建物の高さでもロフトが作れるようにしています。
トップライトと主人の寝床の窓はこうなっております。
こちらは、なんだと思いますか?餌があるのでおわかりですね。
ペットお部屋になっています。2室あります。2匹のペット、犬と猫を飼ってらっしゃいます。
以前の家では、犬と猫は、仲がわるく、とくに猫が強い。リビングに猫時間と犬時間を分けて、同居させない工夫をしていたのですが。その対策で計画していたら、住んでみると、ペットの性格が変わってしまって、同じ部屋にいることが普通にできるようになったと、びっくりされてました。
階段下を利用した、小さな部屋は、照明、換気も組み込まれ、ペットも全館空調エリアで快適に過ごしているということです。
生き物は環境によって、性格がかわるものなのですね、と改めてびっくり。
当然人も同じだと思います。だから、良い家が必要とされるわけですね。
すっきりしたキッチン、もちろんオリジナルで計画しています。上のグレーの壁にはレンジフードか格納されています。
ミーレのスチームオーブンをビルトインしております。これはかなり便利だと聞いております。使い勝手で必要なのは、オーブンの中に入れるトレイが何枚か、これを格納しておく場所が要ります。コレ重要。オーブン左の縦長に収納を設けてます。ポイントは縦置きにすること、この方がよい。
壁側は、加熱機器でミーレのラジエートヒーターいわゆるIHではなく、電熱器です。これの感想は興味深い。結論からいうと、とても良いということです。火(熱)を消しても、余熱がうまく使える。ガスより掃除が楽。IHよりガスに感覚が似ています。おすすめということです。体験希望の方は、ご案内ましますので、お気軽に問い合わせで、連絡ください。正面の引き出し類は、すべて、調理器具と食器です。
食品は、左の白い戸を開けるとパントリーになっており、冷蔵庫やトースターなどの家電はすべてこちら。余計な家電を一切置きたくない、という要望。実際美しく、使用感も正解でしたと。安心しました。
茶色の天板は、スペインのエンペレドールダーク大理石。これにかなり大きいシンクをあわせています。計画時は鰹おを捌けるサイズが必要とのことでこの大きさになっています。シンクの中段に突起があって、プレートを下げることができます。
玄関ホールからアプローチする仏間を設けております。玄関の天井高は3.0メートル以上あって、建具は基準天井高いっぱいの2.6mが多いのですが、和室に限って、部屋のサイズからも考えると、低くしたほうが感じがよい。そこで思い切りさげています。戸の上に長押があるのです。右隣の白い建具と高さを比べてみてください。玄関でのデザイン処理は、低い戸とバランスが崩れないように、左の黒い玄関扉の上端と、和室の戸の周りに斜めのテーパーをとった上端をそろえることで美しく見えるように考えております。
斜めのテーパーはそれなりに迫力があってよいです。壁はしっくいです。
テーパーに、格子戸が入るととても良い雰囲気です。
和室の位置は、このように玄関土間を挟んだ位置にすることは結構あるのです。理由は、リビング続きのタイプとの違いは、寝泊りしても、離れているんで落着く。リビングの戸で仕切られた和室では泊まると、結構気を使い眠れない方は多い。
次回⑥へ続きます。