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一級建築士 匠の視点 ブログ

2023.07.20更新

再投稿 快適冷房温度、暖房温度イメージをつくってみました。

2020年の8月のblogの記事ですが

先日接客したお客さまからの質問での回答に近いので再投稿します。

 

快適温度ってどのくらいでしょう?

メディアでも、冷房を適切に使うようにとか、寝るときにタイマーでなどいろんなことが言われております。数年前でしたか?クールビズなどという冷房設定27度とか、わけのわからない基準が示されて、それが快適を阻害しているという現象も起きているのではないでしょうか。いまだに冷房が悪というイメージも持たれてるかたも多い。また温度でしか基準をいわないことが間違ったことになっているような気がします。

私個人、20年以上高断熱の家を作ってきた実績があります。24時間冷暖房の家、蓄熱床暖房の家を設計し温度計測や体感を通して感じる。「本当に快適といえる室温」をイメージを個人的な体感からオリジナルでまとめてみました。

 

その結果。夏は図の水色が示す範囲。室温23~26°で相対湿度60%が上限で 26.5°なら相対湿度45%、27°ならば30%となります。木造住宅で気密住宅であっても湿度45%以下は難しいです。27°30%はRC住宅のみです。

夏の快適は、床壁天井も室温と温度差3°程度までの状態で考えます。なので室温26°でも天井31°ではあてはまりません。

夏は如何に、湿度を下げるかがポイントです。ただ室温27°以上は本当の快適から外れるので無視します。

湿度60%以下にしようとすると、気密住宅に加え、換気方式も影響します。3種換気では限界があります。外の空気を入れれば入れるほど、外の空気に含まれる(水)が入ってくるため、エアコンで温度を下げても湿度が下がっていかない。特に冷房嫌いの人にとっては、3種換気より熱交換1種換気で夏の外の湿度を部屋内に入れずに換気ができるシステムを考えたほうが良いでしょう。または3種であっても換気量を減らしておくことが必須です。これだけでも7%以上は湿度が下がりますので快適度がアップします。湿度7%下がるとは26°付近の温度でいうと2度くらい温度が下がっているのと同じ感覚です。同じ26°でいながら快適度がかなりUPします。

難しいことを書きましたが、要は夏除湿をするにはエアコン以外方法がありませんので、除湿を効果的にするには建物のポリエチレン気密シートと換気の量と換気の種類が大事です。空気質に敏感な方は、気密をベニヤでなく、気密シートでとる。このあたりをしっかりと慎重に検討していただくことが、RC造並みの夏の快適生活が得られるポイントになってきます。

 

本日、会社外気32°相対湿度55%で絶対湿度程度17.5g→エアコンで室内25°相対湿度61%絶対湿度12gまで下げております。会社は1種熱交換換気扇ですが、お客様の家と違い、外壁の気密シートを省略しているのでこれ以上湿度を下げるのは難しいことになっています。外の絶対湿度がもっと高くなると、部屋は相対湿度70%にもなりコピー用紙が湿気を帯びフニャっとなります。今思えば、社屋は低予算であってアイシネン外壁断熱しながら、気密シートを省略したことに原因があります。お客様の家のように、外壁気密シートさえしっかりと施工しておけば、不快から逃れられたのにと後悔しております。さまざまな断熱材があり熱性能だけで判断は危険です。夏の湿度に悩まされたり、ということは冬は乾燥が防げないことになります。軽い断熱材は音にたいして無防備すぎて家の中が落ち着かなかったり、総合的に判断が必要だということを知ってください。

 

現在佐用町の平屋で体感できる、換気扇をエアコンに接続したG-AIRは、換気しても除湿された空気で換気されるので特におすすめの換気冷暖房システムです。

黄色から紫に至る部分は冬の快適暖房範囲です。冬はまた詳しくは解説するつもりですが、快適範囲は、冷房よりも壁床天井の表面温度が大事になってきますので、室温だけでの判断はできません。

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