「家を建てたいね」と言い出してから5年くらい、いろいろと研究してたんです。気になった造りや素材、工法などがあれば滋賀県や岡山県にも足を伸ばしていました。

岡山県の工務店で「自然素材・パッシブ」というキーワードに行き当たり、興味があったので2回ほど訪問するも距離的に難しくて。そしたら「ハイブリッドソーラーハウス」を通じて同じページにAD HOUSEさんも載っていて、調べてみたら断熱材の数値など詳細な資料があって、「よそと違って変わってるな」という印象を持ったんです。

AD HOUSEさんが建ててた喫茶店（フロックマンズカフェ：現在は休業中）も見に行きました。同じ頃に、感じの良い板壁のお家があって「それもAD HOUSEさんだよ」と息子が教えてくれた事もありました。

そんなこんなで、もうAD HOUSEさんに興味津々なので「すっかりお願いするつもり」で、事務所に行ったんです。そうしたら本当によく話を聞いてくださって、堀江さんの人柄もありますが「とても真面目な会社なんだ」と思いました。

家の性能を示す指標、断熱の「Ｑ値」と「C値」もきちんと公開していて、「本質に力を入れてるな」と誠実さを感じましたし、見学会では、デザインの良さや、ハイブリッドソーラーハウスの素晴らしさも実感できました。

家を建てるときに組み込みたい要素がたくさんあったので、自分自身の意見をまとめるのが大変だったんですが、お洒落さと快適さ、機能性を損なうことなくバランスをとりながら楽しく家づくりを進めることができるのも大きな魅力でした。

要望が多い上に「途中で意見が変わる」「まとまらない」といった具合で、今思うと本当に気の毒になるくらい大変だったと思うのですが、よく付き合ってくださって…。「何十年も住んでいく上でも大丈夫だろうか」と不安になったときも、設計士の方と膝を突き合わせてしっかりと詰めていけるのでとても安心でした。

こだわりは「冬暖かかくて夏が涼しく過ごせる」こと。「ハイブリッドソーラーハウスにする」ことで一発解決なんですが、プラン時にはやっぱりコスト面で躊躇しました。以前は補助金が出た事例もあったので「補助金が出たら」という条件付きで考えていたんですが、既に住まわれてるお家を見せて頂いたら「他の予算を削ってでもやろう」って。良さを実感することができるとそれくらい魅力的なんです。

予算が増える不安もありましたが、住んでみると「ストーブの灯油切れ」や「動きを奪うコタツ」の煩わしさも無くなり、家中アクティブに動き回れて家事がしやすい。太陽光が豊かな夏場は補助のボイラーも稼働なしで、お湯も使い放題。また、ヒートショックが起きにくいのは、将来を考えるとありがたいなと思っています。熱源は太陽熱の温水を使っているので自然エネルギーを使った暖房の中では最強じゃないかな。

以前の家がシロアリで大変だったので、そういうことが起こらないような機能性の高い家にすると共に、趣のあるお洒落な家にしたいというのもポイントでした。外壁に使っているカルフォルニアレッドウッドは「軽くて強靭な木材でシロアリがつきにくい」と勧めてくださったんですが、風合いの良さだけでなく、湿気が来ないのも安心ですよね。

主人はアマチュア無線が趣味なので、外国と無線で交信する場合、明け方近くの時間帯に活動することも。前の家は寒くて落ち着いてできなかったのですが、今は早朝でもお布団から出るのが億劫にならないのが嬉しいところです。

私はアンティークの絵本とか観葉植物、雑貨・小物などを広い空間にディスプレイして、「物があって暖かな感じ」を楽しんでいます。お料理をするのも好きですし、一番いる時間が長いので、キッチンはオーダーメイドにしました。とても使いやすくて気に入っています。床が暖かいので「床の上に置いているだけで」自家製の発芽玄米やヨーグルトができて喜んでいます。我が家では「蓄熱利用の床暖房調理」って呼んでます。

もう一つ、感謝していることは「施主支給品」を上手に使ってくれたこと。「8割引の特価で思わず買ってしまったトラバーチン（天然石版）」をキッチンの床に使ってくださったり、前に使っていた家具や古材屋さんで買った板が階段になったり、臨機応変に、しかも楽しくプランの中に組み込んでくださいました。適性や強度などややこしくなるから、一般的には嫌がられることだと思うんですが、一つ一つの品物をどんなものかしっかり調べて、適材適所でプランを考えて使ってくださったので、こちらも存分に「こだわり」を発揮できてとても嬉しかったです。本当にありがたく思っています。