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コラム

2018.10.01更新

エーディーハウス通信2018年秋号『進化を続ける、新しい家』

快適な温熱環境は蓄熱式床暖房ならでは

 

エーディーハウスが得意とする伸びやかな吹き抜けや、仕切りのない大きく広がったリビングなど、自由度の高い空間を快適な温熱環境に保つために欠かせないのが「正しい暖房」です。

家全体の隅々までちょうどよい温度に保つには、床暖房で足元から柔らかく暖めて、その輻射熱で上下の温度差をなくす「蓄熱式床暖房」が最も理想的です。
そこで、新築改築ご希望の方には、断熱の重要性と暖房方法について、設計段階からご説明とご提案をさせて頂いております。
弊社の床暖房についてはこれまでも誌面で度々ご紹介の機会がありましたが、詳細は実際に建てる時に初めて知ることが多いと思われます。

蓄熱式床暖房にも種類がありますので、特徴や違いをご紹介します。

 

省エネ・光熱費削減効果最大   ハイブリッドソーラーハウス

まず蓄熱式床暖房とは何かというと、その名の通り床に蓄えた熱で部屋を暖房すること。

エーディーハウスの蓄熱式床暖房は、土間床の下を断熱加工し、その上に15㎝~20㎝の蓄熱コンクリートを打ち、その中間層に耐久性に優れた給熱パイプを埋設します。
そのパイプに熱媒液を通し、家の中を循環させて家全体を優しく暖めます。よく、これだけで2階まで暖めることができるのかと驚かれますが、輻射熱は空気を暖めるのではなく、壁や天井や家具までを同じ温度に暖めるので、2階も1階と同じような暖かさが保たれるのです。

この蓄熱式床暖房を最も理想的に実現できるシステムが「ハイブリッドソーラーハウス」です。

太陽光でパネル内の熱媒液を暖め、給熱パイプに熱媒液が循環して蓄熱コンクリートが温まり、その放熱で家全体を暖めます。
お天気が悪い日は補助ボイラーが自動的に作動して、暖房に必要な温度を保つので安心。暖房がいらない季節や、暖房をしてもなおエネルギーが余った時は給湯運転を行い、豊富にお湯を作ります。
自然エネルギーの太陽熱を効率よく使うので、光熱費を抑えられる上に省エネにも貢献できます。

また、災害等で燃料エネルギーが不足した場合でも、太陽熱と補助ボイラーの2種類のエネルギー源を確保していることで対応できる可能性が高く、安心です。安全と快適、省エネをお約束する、最上級の床暖房システムです。

【ハイブリッドソーラーハウスのしくみ】つくる→たくわえる→あたためる、で効率よく暮らしをサポート。給湯と暖房をまかなえるハイスペック床暖房

床下15cm~20cmに構築された高い耐久性をもつ蓄熱コンクリートとパイプ

低コスト・短工期で実現するシルクライン蓄熱式床暖房

ハイブリッドソーラーハウスはランニングコストが安価ですが、設備の設置にはかなりの費用が必要です。

そこで、もう少し手軽に蓄熱式床暖房を実現できないかと考えたシステムが「シルクライン蓄熱式床暖房」です。

シルクライン蓄熱式床暖房も、同様に蓄熱コンクリートを設けて中に配管パイプを通しますが、中を循環するのは温水です。
安い深夜電力でお湯を作り、床下の蓄熱層に熱を蓄えて、家全体を暖めます。
エーディーハウスの床暖房は部屋の隅々まで均一に温水が流れる設計になっているので、温度にムラがありません。

シルクライン蓄熱式床暖房は工期が短く、導入価格を抑えられる点が魅力的です。

気になる光熱費については、深夜電力を利用した場合の金額を計画段階でお知らせするので、ある程度の目安が分かります。実際に生活を始められた方からは、事前に算定した値とほぼ変わらないとのご報告を頂いています。
なお、シルクライン蓄熱式床暖房の家は、屋根に太陽熱パネルを取り付けることで、将来的にハイブリッドソーラーハウスにすることができます。

【シルクライン蓄熱式床暖房のしくみ】安い深夜電力を使い、家全体をしっかりと暖めます。火を使わず、全自動運転なので安心。

 

エアコンを効率的に使って蓄熱式床暖房を再現

蓄熱式床暖房にしたいけれど、どうしても手が届かない。そんな場合でも、足元から暖めることの心地よさを是非味わって頂きたいと思います。

そこで、もっと単純に頭寒足熱を叶える方法として登場したのが床下エアコンによる全館暖房方法です。

仕組みは至って簡単で、ごく普通の家庭用エアコンを床下に設置します。床下に温風を吹き出して基礎や床面を温め、さらに床面のガラリから各室に暖気を送り、穏やかな対流で家全体を暖めます。
家庭用エアコン12畳用程度のもの一台で間に合い、24時間運転でも電気料を安く抑えることができます。

蓄熱式暖房のように全体をむらなく暖めるとまではいきませんが、床面は22℃付近と適度に保たれ、壁付けのエアコンのように温風が吹き出ることがないので、同じような快適さが得られます。
ただ、通常のエアコンの使い方とは異なりますので、エアコンの耐用年数が短くなることや、床に使えない材料があるなどの欠点はいくつか挙げられます。

それでも同じエアコンを壁に取り付けて運転する場合より効果的に暖房ができ、何より快適性が格段に上がります。
床下エアコン暖房を失敗なく行うには、適したエアコン選びと、間違いなく施工する技術が求められます。是非弊社までご相談ください。

換気先進国に学ぶ 超高性能換気システム

さて、暖房と同様に重要になるのが換気方法です。

春号でも換気の大切さをお伝えしましたが、冬は家を締め切って暖房し続けるので、空気の質に注意が必要です。

法律では室内の空気は2時間に一回入れ替わるよう定められている他、現代の住宅には24時間換気が義務付けられています。
蓄熱式床暖房のように温風が出ない暖房は、空気の汚れが少ないので日常の24時間換気だけで心配ありませんが、人数の多いご家庭やアレルギー疾患のある方などは、上級モデルの換気システムを考えてもよいでしょう。

中でも一番高性能と言われる換気システムが、スウェーデン生まれの「ガデリウス換気」です。
厳冬の地スウェーデンでは室内で過ごす時間が圧倒的に長いため、高気密・高断熱の住まいが早くから発達してきました。同時に換気方法についても進化を遂げており、まさに住宅環境先進国と呼ばれています。

ガデリウス換気システムは「空気の流れをデザインする」という視点で確実に換気を行います。暖房された室内の温度を下げないのはもちろん、二酸化炭素の濃度を感知して自動的に換気量を増やしたり、微粒子集塵フィルターや風量調節機能をもつ排気レジスタなど、住む人の健康を徹底して守ります。
モーターは省電力のものが一つだけと経済的で、メンテナンスも一か所で済むため効率よく使えます。ガデリウス換気は日本の換気基準から考えるとかなりレベルが高いものですが、これから長く住まう家の快適性と家族の健康を考えると決して無駄ではありません。
空気の質にこだわりたい方にお勧めの、次世代換気システムです。

床下エアコン設置 スペースの上のカウチ

編集後記

今年は台風が本当によく来ましたね・・・相次ぐ襲来に皆様、被害等ございませんでしたでしょうか。
雨は台風シーズン前からひどかったですね。特にあの7月豪雨は前回エーディハウス通信を発行した直後で、その時ここで「そのうち天照大御神さまがお怒りになる」と編集者Yが書いていたものだから、読者様から「Yさんがあんなこと書くから、本当に神様が怒っているんじゃないかと怖くて」というお声を頂いて・・・わっ、わたくしのせいではありませんっ(汗)

しかしその後の猛暑、そして大地震。まさかこんなに多難な夏になるとは思わなんだ。想定外のことは、これからもきっとたくさん起こる。特に台風は、地球温暖化もあって確実に巨大化に向かっているそうです。
日本で近い将来必ず起こるであろう大地震も予測されている。
その時、大切な命を守るために住まいはどうあるべきか、真剣に考えるのです。
今までも大きな災害があるたびに建築基準法は改正されてより厳しくなり、規則も増えました。新しい建物ほど、頑丈になっているはず。でも、まだ足りないかもしれない。法律を待っていたら、きっと間に合わない。
例えば、建物に影響を与える力、地震力とか風圧とか積雪荷重から十分耐えられるように法律で決められていますが、暴風と地震が同時に起こることは考えなくてよい計算になっています。
それから、暴風でも建物が倒れないようにしなければならないけれど、屋根も飛ばないようにとは書いてない。
でも今回は台風が通過した翌日に大地震、もし一日違ったら?
骨組みは残っても、屋根や壁が吹っ飛んだら恐ろしくてたまらないはず。これからは想定外のことも考えなくては。

エーディーハウスではかつてより耐震等級3の最高レベルを達成していますが、まだ何か強化すべきことがあると感じています。
それから、ニュースを見て皆さん感じることだと思いますが、台風の最中に田んぼや川を見に行くのは本当に止めましょうね。屋根の修理も危険です。もはや人ひとりの力ではどうしようもできない状態ですから、嵐が過ぎ去った後プロに任せましょう・・・とにかくまず、日常のメンテナンスかな。
古くなったところ、悪い場所は事前に直しておく。被害が拡大しないためにも大事なことです。

 

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